全国各地のコミュニティオーナー/マネージャー
“シタテビト”へインタビュー

コミュニティにルールがないと方向性のズレが発生!

モデレーター

みずの けいすけさん

愛知県瀬戸市出身。フリーランスのコンサルタント。2006年明治大学政治経済学部卒。広告代理店でのプランナー勤務を経て、株式会社マイナビに10年勤務。その後、note株式会社で3年。のべ500社以上の情報発信をお手伝い。法人のメディア運用やSNS活用法のアドバイスを行なっている。

ゲスト

今吉 直樹さん

鹿児島県霧島市溝辺町出身。溝辺町役場、鹿児島県庁、霧島市役所に勤め、観光行政に深く携わった。その後、「食」を中心に置いた活動を行う「霧島ガストロノミー推進協議会」を発足。また、霧島の食のビジョンでもある「霧島食の道 十ヶ条」を制定し、地域ブランド「ゲンセン霧島」の認定制度もスタートさせた。
2021年4月には、まちづくりの会社「キリシマビト」を起業。現在は、溝辺町で暮らす人たちが、世代やジャンルを越えてつながることを目的とした「きりしまみぞベル」のオーナーとしても活動している。

「ガストロノミー」の活動について

みずの:そうなんです、ガストロノミーのお話も具体的に聞いていきたいです。官民連携で2017年からおこなっている「霧島ガストロノミー推進協議会」。こちらについてなんですけれども、今吉さんはどの辺りのどのような関わり方をされていらっしゃったのかをお聞きしたいです。
また、その後そういった活動がだんだん実を結んでいって、様々な食のビジョンを定めたり、「ゲンセン霧島」として具体的に色々な商品が認定されていくという流れがありましたよね。「特にこの時期、この活動に気合いを入れてやっていた」みたいなものがあればお伺いしたいなと思いますが、どうですか?

今吉:やっぱり最初の出だしですね。2016年に霧島市役所で職員提案制度があって、そこに僕は「霧島ガストロノミー」を提案したんですけれども、その予算を取るところは相当大変でした…!予算が取れた1年目も、協議会を作れた年も、全部が初めてのことだったので、0から全て創り上げた記憶があります。市民の生産者の方や学校の先生など、沢山の方にお世話になって、本当に出会いに感謝です。この期間は僕の財産ですね。

みずの:色々な方の協力を得ながら少しずつやっていったというか。

今吉:まさにここも小さく始められたんですよ!

みずの:なるほど!前半でもおっしゃっていたキーワードですね。

今吉:あまり期待されることなく始められたんですよね。期待値が低めの状態で始められたので、1年間は横からほとんど何も言われなかったですね。

みずの:多かれ少なかれ立ちあげようとする方に対しては、邪魔しているつもりはなく良かれと思って色々な調整が入ることもあると思います。しかし、そういうこともうまく含めて「大丈夫ですよ」というメッセージの伝え方も大事ですよね。

今吉:そうですね。小さく始めるのは結構重要かもしれないです。

みずの:結構良いキーワードかもしれないですね!「困ったら小さく始める」ということが。

今吉:課題を分離するのも大事ですね。

みずの:何でも解決する、すごいプロジェクトってないですもんね。

今吉:ないですね!

みずの:魔法の杖みたいに見られると、色々と困っちゃいますもんね(笑)面白いな〜!
でもやっぱり本田さんの存在が大きいですよね。

今吉:本田さんは凄いんですよ!

全国どこにでも、同じ課題があることを実感

みずの:先ほどおっしゃっていた地域プロデューサーをやられている、本田 勝之助さんですよね。ガストロノミーの少し前の時期に、中小企業庁が行う取り組みに対して、今吉さん自らご応募されたプロデューサー育成事業の話ですよね。

今吉:本田さんのことは知らずに本田屋本店さんの門を叩き、本田さんと会ったらすごい人だったっていう(笑)卸問屋が家業なんですけれど、本田さん自身は東日本大震災を機に、これからは地域に色々なプロデューサーの役割をする人が必要だと考えられて、人づくりや地域づくりに活動をシフトされています。産業・観光・文化、海外やITなどにも長けていて、全方位で活動されています。本当に尊敬に値する方です。

みずの:師匠のような方ですね!本田さんは地元の会津若松のエリアもさることながら、全国の色々なことを解決するために活動されていたということですね。今吉さんご自身も、地元を見ながらも、色々な地域の課題の向き合い方に沢山触れられたということは良い経験だったんでしょうか?

今吉:本当に、どこも同じ課題はあるということを肌で感じたんですよね。色々な地域を見て「やることは大体絞られている」と思いました。ですので、霧島でやることも徐々に見えてきました。そんな時に「ガストロノミー」という言葉に出会ったので、不安はなかったです。間違ってないなと。

みずの:面白いなー!色々見られてきて、共通する躓き方や叶えたいことがあったっていうことですよね。それって本当に大きいですよね!

今吉:大きいですね!外から霧島を見られたし、どの地域もこの課題で困っているというのを見れた時には「間違いない」と思えて良かったです。

「ゲンセン霧島」での活動

みずの:そういうところから着想を得たんですね。
「ガストロノミー」という言葉はなかなか力強くて、「食を研究する…、新しい食の…」みたいな印象がありますが、本当はもう少し広い意味を持つ言葉なんですかね。

今吉:学問としてのガストロノミーは、人権・環境・経済・教育など、本当に幅広いですね。

みずの:この言葉に出会ったことがターニングポイントだったのかなと、ご経歴を見て思ったのですがどうですか?

今吉:言葉自体がザラザラしているじゃないですか。食育やグルメのような言葉は、縦割りの表現に聞こえていたんですよね。当時の行政での仕事では、このように縦割りになってしまっていましたし。しかし実際は、食は僕たちの暮らしの中に横たわっていて、縦で割っていないんです。「ガストロノミー」は横串を刺して町全体で取り組める、SDGsに近い言葉概念だと思っていて、そこに可能性を感じましたね。

みずの:推進協議会を発足されたのが2017年ですね。とても濃い活動をされたんじゃないかなと思いますけれども、3年間で59の活動が「ゲンセン霧島」として認定されているということですが、どんなものがあるんですか?

今吉:2つあって、有形の「産品サービス」と、無形の「取り組み活動」です。8割は、産品サービスの部分です。

みずの:産品サービスとして、黒酢のお写真をいただいておりました。

今吉:天然壺作りの黒酢。焼酎、黒豚、黒さつま鳥、お茶もあるし、糖もあるし、椎茸もあるし、野菜もあるし…何でもあるんですよ(笑)何でもあるから、どうプロモーションやマーケティングをしていくのかがゲンセン霧島のブランドの役割ですね。

みずの:この春に霧島市役所を退職されたわけですが、この活動には今後も関わっていかれるんですか?

今吉:そうですね。これからは、よりギアを上げてというか(笑)事業者さんごとの連携を強めることや外に対してしっかりと届けていく役割を自分自身も担っていきたいなと思っています!

コミュニティ運営で難しいことは、コミュニティの方向性や期待値の統一

みずの:コミュニティオーナーやコミュニティマネージャー、コミュニティに取り組んでいこうとする全国の地域の様々な方に、このプログラムをご覧いただいていると思います。そういった方に参考になるようなお話を伺っていけたらと思うんですが、「ここは課題だな、難しいな」と感じていることはありますか?

今吉:そうですね。メンバーとのコミュニケーションの部分が難しく感じます。それぞれ皆さんが持っている組織に対する期待感や、こういうことを成し遂げたいという想いがそれぞれ別なんですよね。ですので、コミュニティのベクトルだったり、成果だったり、活動の質や量というのを、皆が納得できる形にするのはすごく難しいなと思います。

みずの:難しいですよね。会社組織としても悩ましいところですが、コミュニティというのが、またちょっと違うタイプの悩みがありそうですよね。

今吉:そうですね。ゆるいお付き合いから始まって、小さく育てたという部分もありますし、細かい規約やルール、「これをしなければならない、この成果だけは勝ち取ろう」といったことはあえて作らなかった組織なので、そこの「方向性のズレ」は難しかったですね。

みずの:共感を大事にして加わったり始めたりする分、一方で「方向性のズレ」が難しいということですよね。

今吉:メンバーの生活環境とか、個人で持っている課題などもあるので、時間の制約ができてしまったりですとか…そこは僕たちでは解決できないこともあるのでね。メンバーの離脱なんかも経験しましたね。

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