全国各地のコミュニティオーナー/マネージャー
“シタテビト”へインタビュー

「全員の目的が叶うコミュニティ」が良いコミュニティ

モデレーター

大塚 智子さん

福岡県出身。大学で地域経済を学んだのち、ソフトバンクグループに7年勤務。その後、Mistletoeにて創業支援事業に4年半従事。個人の活動として、地域コミュニティ・教育・キャリア形成に関するプロジェクトに多数参画。現在は、主に、大分県別府市をはじめとした自治体の創業支援、九州圏内の大学生への講義やワークショップ、ベンチャー企業の成長支援などを中心に活躍。

ゲスト

黒田 悠介さん

あたらしいキャリア論『ライフピボット』の著者。問いでつながるコミュニティ「議論メシ」を主宰。様々なテーマと参加者で、毎月20回ほどの議論イベントを開催している。これまで開催されたイベントは300回以上で延べ参加者数は6000人以上。コラボレーションの相手はスタートアップ、大手企業、行政、コミュニティなど多岐にわたり、約120団体に及ぶ。

大塚:皆さん、こんにちは。本日モデレーターを務めます、大塚 智子です。
前半に引き続き、議論メシのコミュニティーオーナー、黒田 悠介さんに来ていただいています。よろしくお願いします!

黒田:よろしくお願いします!

大塚:ここからは、黒田さんの哲学やコミュニティ運営のポイントをお聞きしたいと思います。

黒田さんの考える「コミュニティ十則」とは?

大塚:早速なんですけれども、黒田さんのTwitterを拝見していたら、「コミュニティ十則」なるものを見つけてしまいました!

大塚:こちら、とても参考になるなと思っています。道場を開けそうな感じですが、これは元々心の中にあったものなんですか?

黒田:はい。前から思ってはいて、色々なコミュニティにアドバイスをさせていただいていた中で、まとめてみたらこうなったという感じです。

大塚:1つ1つの内容が濃いので、どれからお聞きすれば良いのかという感じですけれども…私の興味のあるものから聞かせてください!(笑)
まず「4.最小限のルールを決める」という部分についてです。私は、ルールを全く作らないゆるふわなコミュニティか、「これはダメ、こうしよう」というガチガチなコミュニティか、いずれかに陥りがちなんですけれども、最小限のルールってどういう感じなんでしょうか?

黒田:例えば、周りに言いふらされることがないという安心感を担保するルールでいうと「このコミュニティで話したことは外に話さないでね」とかですね。議論メシの場合ですと、議論には2つのルールを設けています。「①結論を出さなくていいですよ」ということと「②パス回しをしましょうね」という、この2つだけを頭に入れてもらってディスカッションしてもらっていますね。

大塚:パス回しをするのは、話さない人がいなくなるようにということですか?

黒田:それもありますけれども、1人がめちゃめちゃ話さないようにするということですね。10分間で新しいアイデアや意見を出す時に、意見を重ね合わせていきます。Q&Aでパスを回して、どんどんブラッシュアップしていく。なるべく1人でボールを持たないで、皆で進めていこうというイメージです。

大塚:勝ち負けじゃなくて、皆でパス回しをして進んでいこうという感じなんですね。

黒田:逆に、これ以上はルールを課さないようにしています。

大塚:続いて、「6.クチコミを生む」というところですが、意識して生むことってできるんでしょうか?

黒田:クチコミを目的にはしていないんですけれども、クチコミがどういう時に生まれるんですかって聞かれた時に、ユニーク性がないとクチコミは生まれないんですよね。どこにでもあるものじゃなくて、ここにしかないから、「このコミュニティに来てみない?」と誘うと思うんですよね。

大塚:議論メシ、名前もキャッチーですよね。

黒田:そうですね。ちょっとユニークな感じでカッコつけないようにしています。

大塚:敷居が低そうで楽しそうな名前だと思いました。「メシ」と書いてあるので、ご飯を食べながら議論するものだと勘違いしていたんですけれども(笑)HPを見ると「議論でご飯が食べられるようになる人を増やす」という意味が込められていたんですね。

黒田:その点は、今は形骸化していてあまり目的にはしていないんですけれども、名前が気に入っているのでそのままにしています。

大塚:素敵な名前ですよね。
最後にもう1つ、「10.コミュニティを外側とつなげて、撹拌する」というのも面白いなと思ったんですけれども、どれくらい意図的に混ぜようとされていますか?

黒田:これは意図的にやっていて、外部の企業さんからテーマをもらうことがあります。例えば、2040年の田園都市線をどうしたら良いかというテーマを東急電鉄さんからいただいて、それを議論メシのイベントの中で行いました。東急電鉄さんと議論メシメンバーの合計20人くらいで打ち合わせをして、自分たちの中にはないテーマが外から来るので面白いです。また、今のコミュニティにいない人が入ってくることもあるので、そこで新しい繋がりが生まれて、中の人が外の人になったり、中の人が外の人と繋がって新しい仕事に繋がったりすることもありますね。

大塚:意図的にされているんですね!

黒田:せっかくコミュニティの熱量が上がってきたので、それをお裾分けしたいですよね。
「良い味噌ができたので、味噌汁飲みましょうよ」みたいな感じですね(笑)

大塚:いい例えですね、ありがとうございます!本当は全部お聞きしたいんですけれども、今回は3つお答えいただきました。

オーナーとメンバー、双方の目的が叶うコミュニティが良いコミュニティ

大塚:黒田さんはこれまで、コミュニティという文脈だけでも縦横無尽に色々と経験されていると思うんですけれども、黒田さんが思う良いコミュニティはどんなコミュニティでしょうか?

黒田:難しい質問ですね。コミュニティには何かしらの目的があると思うんですが、コミュニティオーナーの目的のためにメンバーが利用されるのではなくて、お互いの目的が合致するような取り組みがしっかりできていると良いコミュニティだと思いますね。

大塚:なるほど!例えば、大企業さんが「議論メシのメンバーから良いアイデアが欲しい」と言ってテーマを与えた場合、もしかしたら議論メシのメンバーはその大企業に利用されているような感覚になることもあるかと思いましたが、その点はいかがでしょうか?

黒田:議論メシのメンバーにとって、議論はエンターテインメントなので「良いお題くれた!嬉しい!」みたいな感覚になっています。結果的にそれが仕事につながったり、自分の中で新しいアイデアを見つけたりすることができるので、全員がwin-winの場になっていますね。

大塚:参加されているのが素晴らしい方々だなというのと、スポーツマンシップが凄いですよね!どこまでもフェアで楽しんでいる感じですね。

黒田:そうですね。全員が得たいものを作れるかが、ファシリテーターの腕の見せ所というかコミュニティの設計ですね!

大塚:今回も色々とお話しいただき、ありがとうございます!また次回もよろしくお願いします。

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