全国各地のコミュニティオーナー/マネージャー
“シタテビト”へインタビュー

コネクタ目線でのコミュニティは、偶発的な繋がりを生む場所

モデレーター

大塚 智子さん

福岡県出身。大学で地域経済を学んだのち、ソフトバンクグループに7年勤務。その後、Mistletoeにて創業支援事業に4年半従事。個人の活動として、地域コミュニティ・教育・キャリア形成に関するプロジェクトに多数参画。現在は、主に、大分県別府市をはじめとした自治体の創業支援、九州圏内の大学生への講義やワークショップ、ベンチャー企業の成長支援などを中心に活躍。

ゲスト

日比谷 尚武さん

kipples代表。一般社団法人at Will Work理事 、一般社団法人Public Meets Innovation理事、Project30(渋谷をつなげる30人)エバンジェリスト、公益社団法人日本パブリックリレーションズ協会 広報副委員長、ロックバーshhGarage主催など、多くのコミュニティを運営。
「人と情報をつなぎ、社会を変える主役を増やす。」をテーマに、セクターを横断するコネクタとして活躍している。

大塚:地域のコミュニティで、継続的、持続的に社会課題を解決する仕立て人の皆さんにお話を伺っていく番組「Tailors」です。
モデレーターをしております、大塚智子と申します。よろしくお願いいたします。私は大分県別府市を中心に、創業支援をしたり、チャレンジャーの方がやりたいことを支援したりするプロジェクトを普段から行っております。
今日は、日比谷 尚武さんにコミュニティに関するお話や、現在コミュニティを運営されている方々のヒントとなるような事例などを伺っていきたいと思っています。
日比谷さん、後半もよろしくお願いします!

日比谷:よろしくお願いします!

様々な繋がりによって、新しいものが生まれる。コネクタには、これを体現する意味合いがある

大塚:今回は、日比谷さんのコミュニティ論や哲学に触れていきたいと思います。まず最初に、日比谷さんは「コネクタ」という肩書きで活動されていますが、日比谷さんの考えるコネクタはどんなものなのでしょうか?

日比谷:コネクタという肩書きがオフィシャルにあったわけではないんですけれども、僕がSansanにいる時に、勝手に名乗って付けて以来、ずっと使っているものですね。Sansanには「名刺や人との繋がりを大事にして、そこからイノベーションが生まれる」という思想がありました。当時は、弱い繋がり理論やオープンイノベーションという言葉が再注目されたタイミングで、早稲田大学の入山さんとかと議論しながら、「繋がりが、いかにオープンイノベーションや新しい何かを生むのに大事か」ということを議論したり発信したりしていました。
その中で、自分自身の元々の資質も相まって、「色々な人と出会って生まれた会話を社内に持ち帰ったり、外の人同士を繋げたりすると、新しいものが生まれる」というのを体現していこうという意味合いがコネクタにはあります。エバンジェリストや広報担当としてサービスの価値を語っても良かったんですけれども、名前を付けてしまったという感じですね。

大塚:私の感覚として、日比谷さんは、人と人を繋ぐだけのコネクタでもないなと思っています。私の周りにも、コネクタと名乗って人繋ぎ紹介業をされている方はそれなりにいるんです。
でも日比谷さんの場合、その会社の広報戦略を一緒に考えたり、生活相談や人生相談など、あらゆることまでしてくださるお兄さんという感じでいつも頼らせていただいています(笑)そういう役割の方が、企業の中にコーディネーターのような立場でいらっしゃれば、その企業が進化する良いきっかけの1つになるのかもしれないですね。

日比谷:コミュニティというのは、そもそも新しい何かとの繋がりを生み、コネクタ的なものが内包されているものだと思います。

日比谷:左側の図のように、課題のある人同士を繋げることで成果に繋がるだろうと思っていたんですけれども、右側の図のように、繋がる可能性のある人をとりあえず場やコミュニティに入れていくとそこで勝手に繋がると考えるようになりました。
そう考えると、目的を持って繋がるよりは、ゆくゆく繋がりそうな人がいて何か起こるんだろうという感覚でやると「狙った設計では起きない、偶発的に起こる場があっても良いんじゃないのか」というのがコネクタ目線でのコミュニティの1つのあり方ですね。

設計を固めすぎないことが大事

大塚:なるほど!よくコミュニティオーナーの方からの質問や悩み相談で伺うのが「偶発性をどうやったら引き出せるか、演出できるか」ということです。演出する時点で偶発的ではないのかもとか、主催者が全部決め切ってしまっていて緩さがないなぁとか、逆に緩すぎて何の会だったんだっけ?とか…このバランスが難しいですよね。
セレンディピティを生み出したい時に、日比谷さんは「とりあえず突っ込んでおけば、なんとかなるだろう」という感じはありますけれども、内心凄く丁寧に突っ込んでいらっしゃるんだろうなと思っています。

日比谷:そこは、よくご相談いただきますね。今も、とある後輩から「とある地域で人が集まるバーを作りたいです。どういう設計をすれば良いでしょうか?」みたいな相談が来るんですけれど、僕はそこまでカチッと設計したことがないんですよね。
考えすぎるとできなくなってしまうので、半分くらい捨てたら良いんじゃないのかっていうのは話しましたね。

大塚:考えすぎも良くないですよね。

日比谷:ITの世界だとアジャイルに作って、世の中のニーズと自分のプロダクトとの調整期間が必要といいますけれど、コミュニティでも同じかなと思っています。自分の思い通りに動くわけじゃないと思うので。

コミュニティがフェードアウトすることは仕方ない

大塚:日比谷さんの中で、もうちょっと長く続けたかったけど終わっちゃったとか、ちょっと心残りがある活動とかってあるんでしょうか?

日比谷:いっぱいありますよ(笑)

大塚:あるんですか!

日比谷:基本はフェードアウトもありです。メンバーの物理的な制約で集まりにくくなったり、金銭的なことだったり、フェードアウトにも何かしらの理由があります。
過去に10個以上のプロジェクトを仕掛けてきたり、辞めてきたりしたので、思い返すと色々ありましたね。でも全部に理由があるので、終わってしまうことは仕方ないと思っています。

大塚:私も自分の中でも思いつくものがありすぎます。私も日比谷さんと同じく、考えることが好きで、こうやってみようと踏み出すところを沢山やってきましたが、消えていったものにしがみつかなくて良いと自分の中では思っていますし、それもまた1つの考え方だと思っています。

日比谷:そうなんですよね。理由がありますからね。

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