

静岡県 経済産業部 政策管理局
産業政策課 産業成長戦略推進班
渡邊 優介 さん
静岡県経済産業部に所属している渡邊さん。静岡県内の中小企業のオープンイノベーションを促進するためにTailor Worksを活用し、”しずおか産業創造プラットフォーム”というオンラインコミュニティを運営しています。
このコミュニティでは、静岡県内で新たな事業に取り組む企業に対し、国、県等の支援情報を一元的に提供するとともに、困りごとや協業の相談等、様々なメンバーとの交流の場を提供しています。
渡邊さんのお仕事内容を教えてください
主な業務は、大きく2つあります。1つ目は静岡県の産業成長戦略の策定に関する事務、2つ目は静岡県内の中小企業のオープンイノベーションを促進するための仕組みづくりです。この業務においてTailor Worksを活用させていただき、繋ぎ役という立場で様々な関係機関との連携や調整などを行っています。
一緒に取り組みを進めるメンバーとの打ち合わせの様子
しずおか産業創造プラットフォームの開設に至った背景や課題は何でしたか?
2020年度(令和2年度)に取りまとめた”産業成長戦略2021”の策定にあたり、産業成長戦略を策定するための会議の委員から2つの提言をいただいたことが開設のきっかけとなりました。 1つ目の提言は、国や県、産業支援機関等が中小企業支援のために発信している情報を、中小企業が適切に受け取れていない現状があり、情報を整理して提供してほしいということでした。 中小企業は人材や設備を上手に活用してどんどん新しいことに取り組もうとしています。そのためにあらゆる機関が支援しているのですが、それぞれの支援機関がそれぞれのツールで情報を発信しているため、中小企業は情報をキャッチすることが難しいとのことでした。そこで、中小企業が必要な情報にアクセスしやすいように、情報を整理し、一元的に提供できるポータルサイトを立ち上げることにしました。 2つ目の提言は、中小企業が支援機関や同業者に対し、新たな事業に関する相談等をオンライン上で気軽に意見交換できるコミュニティサイトを構築してほしいということでした。 例えば「〇〇業界の補助金について同業者に話を聞きたいが、誰に相談したら良いか分からない」「▲▲業界について議論したいが、自社の競合であればあるほど腹を割って話すことが難しい」などの意見がありました。そこで、同業者同士が気軽にコミュニケーションが取れる場所を自治体が提供できれば、意見交換しやすいのではないかと考えました。Tailor Works を知ったきっかけや、導入の決め手をお聞かせください
提言を受け、色々と検討を重ねるにあたり、2つ目の提言への対応策としてオンラインコミュニティを活用できたら良いのではないかという話になり、既存のオンラインコミュニティを検証していたところ、Tailor Worksを活用した先行事例として、静岡県と静岡銀行が共同運営する”TECH BEAT Shizuoka”というコミュニティがありました。TECH BEAT Shizuokaはスタートアップ企業と県内企業を結びつけるイベントを開催し、イベント後のマッチング事例も出始めていたので、私たちもTailor Worksを活用することにしました。TECH BEAT Shizuokaはイベント開催がメインですが、しずおか産業創造プラットフォームではイベントの前後でもオンライン上で気軽に会話ができたり、相談し合える場になると良いなと考えています。
<しずおか産業創造プラットフォームのマガジン一覧画面>
オンラインコミュニティではどのような共創事例が生まれましたか?
相談の投稿をきっかけに商品化まで至った、エイケン工業株式会社(以下:エイケン工業)様の事例があるのでご紹介します。 エイケン工業様は元々は私たちのコミュニティメンバーではなかったのですが、あるときエイケン工業様がTailor Works内の全コミュニティに向けて投稿した相談が私たちの目に留まりました。この相談に対するやり取りをきっかけとして、しずおか産業創造プラットフォームのコミュニティメンバーになっていただきました。 相談内容は「屋外で使用する簡易サウナを作るために、石の勉強をしたいので、石の専門家を紹介してほしい」という、やや、というかかなりマニアックなものでしたが、「どんな些細なことでも良いから石に関する情報がほしい」という情熱に押され、私たちも次第に必死になって調べ、何とか静岡大学 理工学部の研究室をお繋ぎしました。そこで実際に情報を得たことで、エイケン工業様としては様々な気づきを得ることができたようです。
<エイケン工業様が投稿した相談内容>