コレクティブインパクトとは|課題解決の新モデルの概要・メリット・事例を解説

コレクティブインパクトとは|課題解決の新モデルの概要・メリット・事例を解説

コレクティブインパクトとは、「特定の社会問題を解決するために、さまざまな分野に属するプロフェッショナルが強みを持ち寄って協働すること」を指します。

しかし具体的なイメージが浮かばなかったり、成功させるための条件がわからなかったり、お悩みの方も多いのではないでしょうか。

そこで本コラムでは、以下のことを解説します。

  • コレクティブインパクトとはなにか
  • コレクティブインパクトを成立させる前提・成功させる条件
  • コレクティブインパクトに取り組むメリット
  • コレクティブインパクトの事例

ぜひご確認いただき、今後の活動にお役立てください。

コレクティブインパクトとは

「コレクティブインパクトといわれても、具体的なイメージが湧かない」という方も多いかもしれません。

まずは、コレクティブインパクトの意味や、類語との違いについてご紹介します。

コレクティブインパクトの意味

コレクティブインパクト(Collective Impact)は「集合的インパクト(影響)」または「集合的な成果」と訳される言葉です。

企業・行政・NPO・自治体などから集まったメンバーが、社会課題の解決のために知識や技術を持ち寄り、協力することを指します。

スタートアップ企業から大手企業まで、コレクティブインパクトのもと協力すれば、新たな価値を創出できるでしょう。

自社の利益追求に直接関係しないコレクティブインパクトについて、なぜいま注目が集まっているのでしょうか。

この考え方が普及した背景として、社会問題が複雑化し、単独の組織では課題解決が難しくなっていることが挙げられます。

行政のみならず、企業・NPO・財団・自治体なども協力することで、大きな問題を解決できる可能性も高まるでしょう。

また近年、企業は社会への貢献度や世界的な課題に対する姿勢も問われるようになっています。

世界的な課題解決について、どのようなアクションを起こしていくのか、消費者に期待され、間接的に利益にも影響を及ぼす時代です。

そういったことからも、企業にとって重視しておきたい概念がコレクティブインパクトなのです。

類語「協働」との違い

なかには、コレクティブインパクトと協働にどのような違いがあるのかとお思いの方もいらっしゃるのではないでしょうか。

協働は、「共有された目標のため、協力して働くこと」をいいます。

そのため、力を合わせてプロジェクトを成し遂げるといった意味では、コレクティブインパクトと協働に違いはありません。

ただしコレクティブインパクトと協働には、以下の点で違いがあります。

以下の条件を満たす必要があるのがコレクティブインパクトで、条件を満たさなくても問題ないのが協働です。

<コレクティブインパクトと協働の違い>

  1. 目的・手段・道筋・具体的な達成のポイントを明示している
  2. 達成状況や現状が客観的にわかる数値データを用い、誰にとっても進捗がわかるようになっている

上記のポイントをおさえて可視化・共有すれば、コレクティブインパクトの参加者全員が、共通の認識をもってゴールを目指せます。

つまり、比較的、プロジェクト的な意味合いが強いのがコレクティブインパクトともいえるでしょう。

コレクティブインパクトを成功させる条件

多数の団体が参加するコレクティブインパクトを成功させるには、3つの前提と5つの条件をクリアする必要があります。

一通り確認し、コレクティブインパクトに際して必要な準備について把握しておきましょう。

コレクティブインパクトが成立する3つの前提

コレクティブインパクトを成功させる前提条件は、「プロジェクトを推進するリーダー」「資金力」「緊急性」が揃っていることです。

長期的なプロジェクトになることも珍しくないコレクティブインパクトを維持・推進していくためには、上記の要素が欠かせません。

コレクティブインパクトのリーダーは、プロジェクト期間中、各セクションのリーダーを巻き込んで動かせるリーダーシップを備えている必要があります。

またコレクティブインパクトは数年~10年以上にわたって取り組む場合もあり、その間とん挫しないだけの資金力が必要です。

さらに、取り組む課題は社会全体から緊急に「新たなアプローチ(対処)が必要」と思われていること、つまりニーズがある課題であることも重要な要素といえます。

この3点を満たしていることを確認してから、コレクティブインパクトを開始しましょう。

コレクティブインパクトを成功させる5つの条件

コレクティブインパクトの取り組みを成功させる主な条件は、以下のとおりです。

さらに、プロジェクトのリーダーが変わっても継続できるコミュニティ作りをしておくことが望ましいといえます。

長期的な視点を持ち、しっかりとした組織づくりをすることがコレクティブインパクトを成功に導く条件です。

コレクティブインパクトに取り組むメリット

企業がコレクティブインパクトに取り組むのには、どのようなメリットがあるのでしょうか。

ここでは3つのメリットについて解説します。

企業のメッセージ・姿勢をアピールできる

行政やNPO法人・財団などの団体とコレクティブインパクトに取り組んだ場合、その団体から情報が発信されます。

その結果、自社が社会問題に対して向き合い、役立とうとする姿勢を持っていることを世の中へ広くアピールできるでしょう。

それにより、企業のイメージアップや、収益増加なども期待できるはずです。

コネクション・市場が広がる

コレクティブインパクトに参加すれば、社会課題をきっかけとして、さまざまな団体・企業と交流を持つことになります。

その連携が新たな事業のきっかけになったり、新たな気づき・スキル・専門性・人脈を得る機会になったりするでしょう。

知見やコネクションを増やし、市場を広げ、今後の事業へ役立てられます。

複雑化した社会課題にアプローチできる・共感に基づき問題解決の方法が創出される

コレクティブインパクトの実践に際し、企業・団体の垣根を超えてさまざまな価値観・考え方を持ち寄ることで、企業単独では解決できない課題にも対応できるようになります。

共感に基づき協力することで、利害関係に縛られず、問題解決の方法を創出できるでしょう。

集合知により新しい価値を創造し、複雑化した社会課題にもアプローチできるようになるはずです。

【事例4選】日本におけるコレクティブインパクトの具体例

コレクティブインパクトは企業・社会双方にとってメリットの多いものですが、今までどのような取り組みがされてきたのでしょうか。

ここから、日本国内で実施されたコレクティブインパクトの事例を4つご紹介します。

教育|株式会社公文教育研究会

株式会社公文教育研究会は一般財団法人デロイト トーマツ ウェルビーイング財団と協働し、特定非営利活動法人アーモンドコミュニティネットワークのフリースペースにおいて、コレクティブインパクトの取り組みをはじめています。

このコレクティブインパクトは、学習支援が必要な子どもを対象とし、学習意欲の向上・学習の習慣化を支援するもの。

各社はそれぞれ、以下の点においてノウハウを提供しています。

詳しくはこちら:子どもの教育分野におけるコレクティブ・インパクト実証実験を開始

食品|NPO法人フローレンス

NPO法人フローレンスは、6つの企業・団体とともに、こども宅食というプロジェクトを実施しています。

これは貧困状態にある家庭を対象に、食品配達を通じて信頼関係を構築し、適切な支援につなげることを目的としたコレクティブインパクトです。

2017年に開始され、現在では約700世帯が利用している(※)など、注目すべきコレクティブインパクトのひとつです。

※2022年11月時点

詳しくはこちら:こども宅食

地域復興|キリンホールディングス株式会社

キリンホールディングス株式会社は、さまざまな地域企業・団体と協働し「復興応援キリン絆プロジェクト」を実施しています。

これは熊本県・福島県など複数地域の企業やメンバーとともに実施しており、地域発展につなげるための取り組みです。

たとえば熊本地震後には、復興支援として、熊本県産いちご「ゆうべに」のブランディング支援を実施。

一方福島県では「浜の漁師飯 浜の母ちゃん飯プロジェクト」をはじめとして、COOL AGRI・いわき6次化協議会・ワンダーファームなど、複数のプロジェクトに着手しています。

詳しくはこちら:復興応援キリン絆プロジェクト

未来共創|三菱総合研究所

株式会社三菱総合研究所では、人生100年時代を見据えて「新たな豊かさ」を追求する必要があるとし、コレクティブインパクトを実施しています。

これは未来共創のエコシステムを構築し、社会変革への提言と実現を目指す取り組みです。

具体的にはウェルネス・食料・エネルギーなどの分野を中心に、社会課題を抽出し事業創出から検討・取り組みまでを実施しています。

詳しくはこちら:未来共創イニシアティブ

「テイラーワークス」は「世界を変えるつながりを創る」のミッションのもとコレクティブインパクトを推進してまいります

コレクティブインパクトとは、特定の社会問題に関して、共感に基づいてさまざまな分野に属するプロフェッショナルが強みを持ち寄って、課題解決のため協力することをいいます。

コレクティブインパクトにはさまざまな条件・課題があるものの、取り組むことによって企業・組織・団体、そして個人としてのイメージがアップしたり、コネクションが広がったりといったメリットも多く得られるでしょう。

しかし、コレクティブインパクトに参加したり始めたりしたいと思っても、何から始めるべきか、どのように協力相手とつながりを作ればよいかわからない方もいるかもしれません。

関連記事:社会課題一覧 社会問題・社会課題の一覧をリスト形式で解説

テイラーワークスは、「世界を変えるつながりを創る」をミッションに、「ひらめきにときめく社会へ」をビジョンに掲げ、コミュニティアプリやノウハウを市場に提供しています。様々な社会課題を解決し、コミュニティ参加者が主体となって社会的成果を創出するエコシステム構築を手掛けています。

当社が提供する「Tailor Works」は、あらゆる人や企業のソーシャルグッドな取り組みを支援し、コミュニティを通じて多様なコラボレーションと集合知による成果の共創を実現します。コミュニティマネジメント機能を始め、ユーザーが課題や相談を掲示しコミュニケーションを促す体験設計が特徴のため、社会課題解決に資するコレクティブインパクトの取り組みや共創プラットフォームなど、課題解決をテーマにしたエコシステムとコミュニティの創出に適しています。

コミュニティを通じて、協力・共創相手とつながり、「コレクティブインパクト」に取り組みたいとお考えの方は、ぜひ「 Tailor Wors 」の活用をご検討ください。

また、コレクティブインパクトと同様に「複雑化した社会課題にアプローチできる」「企業のメッセージ・姿勢を伝えられる」といったメリットを持つオープンイノベーションについて解説したコラムもご一読ください。

関連記事:オープンイノベーションとは?定義・導入メリット・成功事例までわかりやすく解説

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