WeWork Japanが『 TAILOR WORKS 』導入によりマッチング提案件数が大幅に増加!PoCを経て、全国拠点に本格導入

WeWork Japan
WeWork Japan(WWJ株式会社)は、多様な企業が共存するフレキシブルオフィス環境において、入居メンバー企業同士のビジネス共創を促進するための新たな取り組みを進めてきました。しかし、日本のビジネス文化においては、偶発的な出会いだけでは充分なマッチングが生まれにくく、さらなるマッチングを促進するためには、担当者の経験やスキルに依存するといった属人的な課題が一部ありました。幅広い業種・業態において適切なマッチングを行うため、「TAILOR WORKS」を導入。入居企業の膨大な企業サマリーの収集・要約の自動化と、AIを活用した提案の効率化を実現しました。結果、提案件数は倍増し、フリーランスや中小企業も含めた的確なマッチングが可能となりました。さらに、接点の少なかった企業同士の新たなビジネス機会も創出しながら、より包括的なネットワークの構築を推進しています。

お客様プロフィール
企業名:WWJ株式会社(WeWork Japan)
業種:不動産業(フレキシブルオフィス)
導入拠点:WeWork 渋谷スクランブルスクエア、WeWork リンクスクエア新宿
主な課題:コミュニティマネジメント業務の効率化、ビジネス共創の仕組み化
概要
WeWork Japanが運営するフレキシブルオフィスでは、フリーランスからスタートアップ、大手企業、地方公共団体などの行政機関まで、多様な特性を持つメンバーが集い、コミュニティを形成しています。WeWork Japanは、コミュニティチームによる様々なイベントやネットワーキングの場を通じて、メンバー同士の繋がりを深め、事業やプロジェクトでの協力関係構築を支援してきました。
しかし、企業データベースを構築してはいるものの、マッチング候補の発見が各担当者の入居企業の事業理解、経験やスキルに依存しがちであるという属人的な課題がありました。さらに、日本特有の国民性や企業文化やコロナ禍の到来もあって、欧米のスタートアップ文化とは異なるマッチングの難しさも存在しており、単なるスペース提供以上の価値創出が求められていました。
このような背景のもと、マッチメイク業務を支援するAI駆動型SaaS「TAILOR WORKS」を導入。AIを活用した2つの機能、「TAILOR WORKS データベース(企業サマリーの収集・要約を自動化)」と「 TAILOR WORKS マッチメイクメイキング(提案先に適した紹介先企業の選定・抽出、コラボレーションアイデア創出の自動化)」による体系的なマッチメイク業務の仕組み化を進めるため、渋谷スクランブルスクエアおよびリンクスクエア新宿の2拠点で実証実験を行いました。
課題と効果
【導入前の課題】
- マッチング発掘が属人的で、担当者の経験やスキルに依存している部分がある
- 拠点を横断したマッチング提案が限定的
- 従来の企業データベースサービスでは顧客情報・アセットの収集が不充分
【導入後の効果】
- 多種多様かつ膨大な 入居企業の企業サマリーの収集・要約を自動化
- 大企業だけでなく中小企業の事業アセットも的確に把握でき、マッチメイク提案を通じての接点が増加
- 提案件数が数倍に増加
選定のポイント
- 入居企業(顧客)の事業アセットの可視化AI
従来の企業データベースサービスでは網羅しきることが難しかった、中小企業等の自社顧客の事業アセットの可視化を実現。 - マッチメイク提案業務の効率化
属人的だった提案業務をAI支援でシステム化し、効率化を達成。 - 多拠点展開へのスケーラビリティ
入居企業の事業アセットが可視化され、データとして活用可能な状態になることで、拠点を横断してコミュニティチームのマッチメイク提案が可能に。
導入の背景と効果

WWJ株式会社
HEAD OF COMMUNITY
コミュニティ部門 統括責任者
遊上 和義 様
WeWorkでのコミュニティマネジメントについて教えてください。
WeWork Japanのフレキシブルオフィスには、フリーランスから大手企業、さらには自治体はNPO団体など、様々な業種・規模の企業が入居しています。コミュニティチームでは、これらのメンバー同士の繋がりを深め、ビジネス機会の創出を支援しています。コミュニティマネージャーが個々の知見やヒアリングを通じて企業ごとのニーズや課題を的確に把握し、適切なマッチングを行うことが求められるのですが、属人的な運営に頼らない、より体系的かつ効率的なアプローチの必要性を感じていました。
そもそも、WeWorkが日本に上陸した当初、「コワーキングスペース」という概念はまだ社会に浸透していませんでした。
単に出会いの場を用意するだけでは相互の会話やつながりが生まれにくいという、日本の国民性や文化も影響し、欧米型のオープンイノベーションモデルをそのまま適用するのは難しく、まずはマッチングの仕組みづくりから始める必要がありました。また、途中でコロナ禍を迎え、対面での接触やイベントの開催が難しい時期があったこともあり、その前後で人と人との関わり方やつながり方も大きく変化したように感じます。
TAILOR WORKSの導入効果はいかがでしょうか?
導入後、マッチング提案数は大幅に増加しました。AIによる提案支援により、これまで接触が少なかった企業とも関係を深めることができ、提案の幅も広がっています。イベント等の登壇者の発掘にも活用できることもわかりました。
マッチメイクの成功は、入居企業ごとの課題や強みを自分ごととして捉えられるかどうかに大きく影響されます。また、企業データベースがあったとしても、それを適切に活用し、マッチングの精度を高めるためには、AIによるアシストが不可欠です。
チーム全員が網羅的な業界知識の習得や効果的なマッチングのノウハウを身につけることは、人的リソースの観点からも大きな課題でしたが、TAILOR WORKSは、こうした属人的な限界を解消しながら、コミュニティマネージャーの知識の増加や成長につながる、ある種トリガーとして機能しました。
導入時の課題や工夫された点はありますか?
提案の質を担保するため、AIが生成したマッチング案に対して、担当者による調査・確認プロセスを設けています。企業データの正確性やニーズ・ソリューションの確認を丁寧に行うことで、的確な提案につなげたいと考えています。
また、プロフィール生成の段階で詳細なニーズのヒアリングを行い、タグを追加してからマッチングを生成するなど、運用面での工夫を行いました。
今後の展開についてお聞かせください。
双方の企業や人々の雰囲気や相性といった機微を感じ取り、最適なマッチメイクができるかどうかは、やはり日常のコミュニケーションにかかっているのではないでしょうか。人間とAIのテクノロジーが互いを補完し合うことで、WeWork Japanという拠点でつながったからこそ生まれたプロダクトやサービス、イノベーションが、日常的に生まれる場所になっていくように思います。
今回の実証実験で、各拠点のコミュニティマネージャーの提案スタイルや特性を活かしながら、拠点を横断した提案も円滑に行うことができたため、多拠点展開においても可能性を感じています。
今後もTAILOR WORKSをさらに活用し、企業の事業課題を網羅的に把握しながら、目的別のマッチング提案やコミュニティイベントと連動したマッチングをはじめ、データベース活用拡大による、複数拠点への地域横断的な提案を強化していく考えです。将来的には、見込み顧客データの統合や、AIによる提案生成から交渉支援までの一貫したプロセスを実現していくことにより、メンバー企業同士の繋がりをさらに深化させ、より多くのビジネス機会の創出を目指したいと思います。