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カスタマーサクセス2.0の世界の実現

2023年8月23日(水)、株式会社テイラーワークスと株式会社Relicは、ステークホルダーとの関係性を見直し、コミュニティやネットワークを新規事業立ち上げに活かす方法を説くセミナー『カスタマーサクセス2.0世界の実現』を開催しました。

社会課題が日々複雑化している現代において、一つの企業だけで様々な課題に取り組むことは、かつてないほど難しくなってきました。そのため、ネットワークやコミュニティを活用しながら新規事業を共創する動きは、今後さらに加速していくことでしょう。
新規事業を成功させるための鍵は、営業力だけではありません。顧客との深い関係構築、つまり「カスタマーサクセス2.0」の実現が欠かせないと私たちは考えています。

本セミナーでは、新規事業におけるコミュニティ・ネットワークの役割を具体例を混じえて解説します。


イベント概要


本セミナーでは新しいカスタマーサクセスについての整理と、コミュニティやネットワークを活用した新規事業の立ち上げ・マネタイズ方法の解説がクロストーク形式で進められました。


株式会社テイラーワークスの難波と株式会社Relicの大丸氏がプレゼンターを務めます。

株式会社テイラーワークス
ソーシャルコミュニティプラットフォーム「Tailor Works」を提供。地銀や自治体、大手企業の新規事業などオープンイノベーションを支援する。「東洋経済 すごいベンチャー100」2022年版に選出された。
現在セレンディピティな出会いを促進するマッチングエンジンを新たに開発中。
企業サイト:https://tailorworks.com/

株式会社Relic
新規事業開発に特化し、新規事業やイノベーション創出に挑戦する人たちを全面的にサポートする。
これまでに大企業からスタートアップまで4,000社・新規事業数20,000以上の支援実績を持つ、国内トップクラスの事業共創カンパニーである。
企業サイト:https://relic.co.jp/


カスタマーサクセス2.0とは?

カスタマーサクセス2.0は、従来のカスタマーサクセスがSaaS企業に主眼を置いていたのに対して「全事業体にとってカスタマーサクセスの考え方が普遍的に必要」とする考えです。
カスタマーサクセス2.0は事業推進の中軸を担うといわれていますが、どうしても「ユーザー」のコミュニティとして限定的に捉えられがちです。
しかし事業の中心にいるのは果たして顧客だけでしょうか?
大丸氏は「顧客以外も含めた全ステークホルダーとの関係性・事業共創を念頭に考えられるかどうかが大きな分岐点となる」と説きます。



事業推進には「ステークホルダーとの関係性構築」が必須

「三方良し」の考え方の現代版として「八方良し」の考えがあります。


「八方」を構成する例として、下記のようなステークホルダーが考えられます。

1.従業員
2.株主
3.金融機関・VC
4.顧客・ファン
5.自治体・行政
6.大学
7.スタートアップ
8.関係企業

それぞれのステークホルダーと深い関係性を構築できるか。関係構築の手段・場所が”コミュニティ”であり、「ヒト、モノ、カネ、情報」に次ぐ第5の経営資源として重要な要素だと難波は言います。

しかし、なぜこんなにも関係性が複雑になってしまったのでしょうか。
現代の日本に残る社会課題の多くが複雑なものだからです。電気・ガス・水道といった基礎的なインフラ設備やインターネット、交通インフラなどの課題はすでに解決されていることがほとんどです。
複雑な課題を解決しようとしたとき、より利害関係も複雑な立場同士の中でアクションを起こすことが必要となります。
こうした社会課題と関係性の複雑化により、新規事業を立ち上げる難易度が高まっていると説明します。

新規事業立ち上げの課題とチャンス

新規事業を立ち上げる際の具体的な課題として、大丸氏は次の4点を挙げています。

1.1社単体で解決できる課題はすでに手がつけられている
2.未解決な課題は解決されていない明確な理由があるものが多い
3.顧客のニーズが顕在化していない場合、実現には長い時間を必要とする
4.1社単体で取り組むには採算が合わないケースが多い

未解決課題として残されているのは複数社が協業して取り組まなければならないものが多く、それゆえステークホルダー同士が目線を合わせ、課題に対して各々ができる役割を担っていく必要があります。
このような「課題は見えているが手を出せていない状況」はチャンスだと大丸氏は捉えます。
地域の事業オーナーやそこで働く人のなかには、地域全体がすたれていく危機感を持ち、新規事業に積極的に挑戦したいと考える人たちも潜在的には多くいらっしゃいます。

欧州では課題解決に向けた共創に取り組む企業の45%が、現在保有しているネットワークだけでなく新たなつながりを開拓し、課題解決に当たっているという調査結果が存在します。

事例紹介

ここまでのステークホルダーとの関係性構築と、課題解決に向けた新規事業の立ち上げを実現した事例を紹介します。

1. スタートアップ企業を基軸としたコミュニティ

まずはテイラーワークスが携わった、東京きらぼしフィナンシャルグループの事例です。同グループは投資先・融資先のスタートアップ企業を基軸にしたコミュニティをつくりました。
ピッチイベントを繰り返し設けたことで都内の自治体に注目され、中小企業を巻き込み、結果的に未取引先の企業からのコンサルティング案件の受注に至りました。
コミュニティへの参加者は1,000名以上となり、自分たちが持つネットワーク資源を表に出したことで成功した好事例といえます。

2. 和歌山の拠点でイノベーター人材を育成

次に日本全国に13の地方拠点を持つRelicの事例です。同社はベンチャー企業やスタートアップが自然と集まる大都市圏だけではなく、企業誘致に注力している自治体との化学反応を求めて第一弾として和歌山県に拠点を設置。すると「イノベーション創出に興味を持っている学生がいる」と複数の自治体から大学や高専の紹介を受けます。
新規事業に関して大学生と意見交換するほか新規事業開発のプロセスをレクチャーするなど、事業創出や人材発掘・育成に取り組んだ事例です。和歌山大学とのこの取り組みはNHKのニュースでも取り上げられました。



ネットワークのなかで新規事業を立ち上げるには


最後に、大丸氏はネットワークのなかで新規事業を立ち上げる際のポイントを3つ示しました。

1.ステークホルダーとの充分な対話が前提にある
2.それぞれ狙いの異なるステークホルダーたちと共通ゴールを定義する
3.2を達成するために経済的な条件に合意したうえで役割を分担する

最終的には「勇気ある1歩を踏み出せるかどうか」が新しい営みの成否を分けると言います。1歩を踏み出したことを契機に雪だるま式に情報や支援者が集まることが多くみられ、誰かが動き出してくれたら、自分もフォロワーとして参加するという声も多いようです。
まずは旗印を掲げて「動き出すから良かったら参加してよ」と発信できる人がどれだけ増えるかが、ネットワークやコミュニティを軸とした新規事業開発が成功するかどうかの分岐点だと話しました。

まとめ

クロストーク形式でおこなわれた本セミナー。

多様な顧客との密接な関係性は、企業にとっての重要な無形資産となり得るということが見えてきました。事業発展につながる社会的成果の創出、さらに業界や産業全体の発展につながる重要な要素と言えるのではないでしょうか。

テイラーワークスは、信頼と共感に基づくネットワークが可視化される仕組みを提供し、多様な顧客との関係性強化を通じた「カスタマーサクセス2.0」の実現を積極的に支援しています。

新規事業の立ち上げにあたり、多様な人たちとつながる場に興味がある方は株式会社テイラーワークスへ、
新規事業において、リスクを取って動いてくれる「新規事業代行」に興味をお持ちの方は株式会社Relicへ、お気軽にお問い合わせください。

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