コミュニティビジネスとは?地域課題を解決する取り組みの 特徴や事例について

コミュニティビジネスとは?
地域課題を解決する取り組みの
特徴や事例について

地域課題の解決方法のひとつとして「コミュニティビジネス」が注目されていることをご存知でしょうか。

現在、地域が抱える課題を解決してコミュニティを活性化させるために、行政やNPO法人、市民団体が積極的な取り組みを行っています。
その中で、ビジネスの手法を用いて地域課題を解決に導く「コミュニティビジネス」の重要性も増してきました。

この記事では、コミュニティビジネスの定義や役割、取り組み事例や課題までまとめて解説します。
地域の課題解決や地方創生、地域活性化などに関心があり、「コミュニティビジネス」について知りたい方は、ぜひ参考にしてみてください。

コミュニティビジネスとは?

コミュニティビジネスとは、地域資源や人材を活かして地域課題をビジネスの手法で解決する事業のことを指します。

コミュニティビジネスとは?

コミュニティビジネスの起源は、1980年代のスコットランドにあったコミュニティ協同組合とされています。

日本では1990年頃からコミュニティビジネスという言葉が使われ始めました。 1998年に特定非営利活動を行う団体に法人格を付与をする「特定非営利活動促進法」(NPO法)が成立したのを皮切りに、コミュニティビジネスを行う組織の数が増加しました。

コミュニティビジネスが注目される理由

現在、地域には人口減少に伴う医療現場の人手不足、地場産業の後継者不足、雇用先の減少などさまざまな根深い課題が滞積しており、さらなる人口減少と高齢化に拍車をかけています。

上記をはじめとした地域課題に対して、政府は2014年に「まち・ひと・しごと創生長期ビジョン」「まち・ひと・しごと創生総合戦略」を閣議決定しました。関係人口の構築、都市再生支援、各種補助金や助成金の交付など、さまざまな政策を講じているものの、支援の手が追いついていないのが実情です。

このような状況下だからこそ、行政やNPO法人だけでなく企業や個人までが一丸となって地域課題の解決に取り組むコミュニティビジネスに注目が集まっています。

コミュニティビジネスとソーシャルビジネスの違い

コミュニティビジネスと似た言葉に、ソーシャルビジネスがあります。

コミュニティビジネスとソーシャルビジネスの違い

ソーシャルビジネスは、地域を限定せずに社会全体の課題解決を目指すビジネスという意味で使われます。つまり、ソーシャルビジネスは地域を含む社会課題に対して取り組む広義の意味、コミュニティビジネスは地域課題に対して取り組む教義の意味と考えて良いでしょう。分かりやすく言えば、ソーシャルビジネスにはコミュニティビジネスも内包されています。

ソーシャルビジネスを行う担い手は「社会起業家」と呼ばれます。国内で有名な社会起業家としては、NPO法人フローレンス代表の駒崎弘樹氏、株式会社ボーダレス・ジャパン創業者の田口一成氏などが挙げられます。

コミュニティビジネスの主な活動分野

次にコミュニティビジネスが一体どのような分野で行われているかを解説します。下記におもな「コミュニティビジネス」の分野をまとめました。

  • まちづくり
  • 環境・資源の保全
  • 地域資源活用
  • 地域情報の発信
  • 観光地支援
  • 農業支援
  • 商店街活性化
  • IT化・DX推進支援
  • 高齢者支援
  • 介護・福祉支援
  • 就業支援
  • 育児支援
  • 教育支援
  • 災害救援
  • 地域安全活動

コミュニティビジネスというと、まちづくり・まちおこしのイメージが強いかもしれません。しかし、前述したようにそれぞれの地域が抱える地域課題も多岐にわたるため、数多くの分野においてコミュニティビジネスは行われています。

コミュニティビジネスは、地域が抱えるあらゆる課題に対して解決の取り組みができます。地域資源だけでは解決が難しく時間のかかる課題であっても、コミュニティビジネスの手法を用いれば早期解決や地域の活性化につなげることができます。

コミュニティビジネスの効果・役割

コミュニティビジネスは、地域社会にどのような効果をもたらすのでしょうか。ここでは、コミュニティビジネスの役割や特徴について解説します。

地域課題の解決

新しい地域事業の展開によって、労働力不足や後継者不足といった問題が解消され、創業機会や雇用拡大を促進できます。

現在、問題視されている大都市一極集中も、地域内の産業衰退と、雇用縮小が要因のひとつと言われています。このボトルネックを解消することで、地域社会の活性化、自立も促進でき、ひいては地域住民による自己実現の機会を作ることができるでしょう。

地域コミュニティの発展・地域経済の活性化

郊外に大型のスーパーマーケットやショッピングモールが次々と建設されたことで、かつて”地方都市の顔”ともされていた商店街は賑わいを失い衰退の一途をたどっています。

そこに居住する地域市民が主体となり、止まっていた地域経済を巻き直すことで、少しずつ地域社会の活性化や地域住民の生活環境の改善・向上につなげることができるでしょう。

また、地域外の方々との交流(関係人口の促進)を図ることで、古き良きの地域文化を残しつつ、新しい要素を取り入れていくきっかけを作れることも、コミュニティビジネスが担う役割です。

地域市民と行政・企業との連携強化

従来は、町内会や自治会などの地縁組織が各地域に存在し、市民と行政の接続部分としての役割を果たしていました。しかし、少子高齢化で大家族から核家族が多くなり、地縁組織に加入する数は減少傾向にあります。

コミュニティビジネスが地域市民と行政、企業のハブとなることで、民営、協業パートナーの発展や行政コストの削減、スタートアップ企業を始めとするローカル企業の輩出といった効果も期待できます。

コミュニティビジネスの取り組み事例

次に、具体的に実施されているコミュニティビジネスの取り組み事例をいくつかご紹介します。

【福祉支援の事例:地域の茶の間「てまえみそ」】

地域の茶の間「てまえみそ」は、浜松市の過疎化と高齢化を危惧し、管理人である富田久恵さんが立ち上げたコミュニティレストランです。

富田さんは、平成9年に現役を退き、その後国際交流基金日米センターの研修生として米国にわたってNPO関連のノウハウを取得しました。平成17年には、自宅の一階部分を開放し、地域の茶の間「てまえみそ」を設立。地域の茶の間「てまえみそ」では、日替わりシェフの料理を食べられる「ワンデイシェフ事業」やピアノの伴奏付きで童謡や歌謡曲が歌える「歌謡サロン」など、地域の人が交流できるきっかけづくりを提供しています。

【地域資源の活用事例:有限会社 花農場あわの】

8名の農家の主婦によって設立された無農薬野菜を食べられるレストランです。

形や色の悪さから誤解されている無農薬野菜のイメージを払拭しようと、とれたての地元の無農薬野菜が食べられるフレンチレストランをオープン。その後、8人全員が宇都宮にあるレストラン「オーベルジュ」の音羽シェフにフレンチ料理の修行をつけてもらい、本格的な技術を習得しました。

平成11年5月には、「花農場あわの」をオープン。当初は、なかなか集客が思わしくありませんでしたが、行政と連携して広報や営業活動を行った結果、地元の繁盛店に仲間入りを果たしました。

【まちづくりの事例:さんぽく生業の里企業組合】

新潟県村上市は、かつて城下町として栄えた街でしたが、年々、人口は減少していきました。

この状況に危機感を覚えた國井さんは、山熊田の伝統工芸品「しな布」と「赤かぶ漬け」に目をつけ、平成12年に「さんぽく生業の里企業組合」を設立。

その後、古民家を改装し、しな布製造と赤カブ漬け体験ができる施設を設立したところ、街の交流人口は増加。また、体験施設で働く雇用も確保でき、山熊田にエコシステムを構築することができました。

活動分野が多岐にわたるコミュニティビジネスの活動事例は、下記に事例集がまとめられています。具体的にどのような取り組みが行われているか気になる方は、参考にしてみてください。
コミュニティビジネス/地域コミュニティ (METI/経済産業省関東経済産業局)

コミュニティビジネスの課題

コミュニティビジネスは地域課題の解決や地域全体の発展、経済活性化などの効果をもたらしますが、必ずしも上手くいくとは限りません。実際に、コミュニティビジネスにはいくつか課題があります。

まず大きな課題として、そもそもコミュニティビジネスの認知度が低いことが挙げられるでしょう。経済産業省の調査によれば、「これまでに社会的企業やソーシャルビジネス、コミュニティビジネスという言葉を見たり聞いたりしたことがあるか」という質問に対し、「よく聞く」が12.5%、「一度ぐらいはある」が51.3%、「聞いたことはない」が36.2%でした。

また、「社会的企業やソーシャルビジネスに該当すると思う具体的な民間事業者が思い当たるか」という質問に対しては、「思いつかない」が83.8%、「1つ、2つはある」が14.3%、「3つ以上ある」と回答した割合はわずか2.1%でした。

参照:ソーシャルビジネス研究会 報告書

コミュニティビジネスの認知度が低い状況では、課題解決に強いパートナー企業と出会いにくほか、ビジネスマッチングに欠かせないパートナー探しも難航し、地域住民の協力を仰ぐことも難しいでしょう。

もうひとつの課題が事業の自立的継続です。たとえ、その事業が地域に内在する課題を解決する意義のあるものでも、担い手となる地域住民に経営ノウハウがなければ、事業を長く継続することが難しくなります。

ここまでお伝えした課題からも、コミュニティビジネスにおいて行政、住民、企業がお互いを支え合い、一丸となって地域課題を解決する体制作りは欠かせません。

テイラーワークスのコミュニティビジネスへの取り組み

当社では、コミュニティビジネスを促進するための様々なソリューションを備えた、コミュニティプラットフォーム「Tailor Works」を提供しています。

コミュニティの活性化を支えるTailor Worksの仕組み

「Tailor Works」には下記のような機能が備わっており、コミュニティの活性化をサポート。

  • オンラインイベント開催
  • メンバーコミュニケーション
  • ビジネスマッチング
  • ネットワーキング
  • 情報の一元管理
  • 高度なデータ分析

メンバー同士のコミュニケーションだけでなく、コミュニティメンバーの情報管理、コミュニティ間の連携によるシナジー強化、ビジネスマッチングなども行えます。

また、コミュニティ運用が不安な方は、コミュニティの運用・分析支援も対応しています。具体的には、コミュニティが走り出すまで定例ミーティングの実施、オペレーション代行・コミュニティ構築支援、施策の策定支援や、イベント企画やコンテンツ制作といった活動サポートなども提供しています。

テイラーワークスはコミュニティビジネスの普及と支援に取り組んでまいります

ここまで解説してきたコミュニティビジネスについて、改めてまとめます。

  • 地域課題の解決の手法として、コミュニティビジネスに注目が集まっている
  • コミュニティビジネスは様々な地域課題に対応でき、実際の取り組み事例も数多くある
  • コミュニティビジネスの課題としては、コミュニティビジネスの認知度向上と事業継続のための経営ノウハウの共有が挙げられる
  • テイラーワークスはコミュニティプラットフォーム「Tailor Works」をはじめ、サービスを通じてコミュニティビジネスの普及と支援に取り組んでいく

テイラーワークスは、「世界を変えるつながりを創る」をミッションに、「ひらめきにときめく社会」をビジョンに掲げ、コミュニティアプリ「Tailor Works」やコミュニティ運営ノウハウを市場に提供しています。

Tailor Worksは、コミュニティマネジメント機能を始め、ユーザーが課題や相談を掲出し、コミュニケーションを促す体験設計が特徴のため、オープンイノベーション関連の施策や社会課題解決、共創プラットフォームなど、課題解決をテーマにしたエコシステムとコミュニティの創出に適しています。

オンラインコミュニティを通じたコラボレーションやイノベーション創出、課題解決やエコシステム構築を考えている皆さまは、ぜひTailor Worksの活用をご検討ください。
また、「Tailor Works」に関するお問い合わせもお待ちしております。

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